Sustainable forest Umami “Dried shiitake mushrooms”
椎茸は日本・中国を原産とするきのこで、数多くのきのこの中でも人気が高く有名である。特に乾椎茸はうま味成分のグルタミン酸とグアニル酸を多く含み、精進料理には欠かせない食材のひとつであり、古来より日本の食文化を支えてきたきのこである。
日本は農業大国ではないが、農業文化国である。
日本の年中行事や祭りの多くは、稲の豊作を祈願し感謝を捧げる農耕の祭事に由来しており、中には芸術と農耕が神事として受け継がれている地域も存在する。
今回ご紹介する日本の原木椎茸は、持続的な資源の利用や地域固有の文化の伝承で知られる「里山」が育んだ宝物である。
神話の里が育む無農薬・原木栽培の椎茸
杉本商店は、世界最大級のカルデラを持つ阿蘇山にほど近い宮崎県は高千穂郷にある椎茸問屋だ。
活火山である阿蘇山は古来より神として敬われ、近隣地域では農業に深い関係のある儀式や祭事を多く見ることができる。
宮崎県の高千穂郷もまた、神々が降り立った天孫降臨の地であるとされ、神話の舞台として有名だ。阿蘇の溶岩が侵蝕されてできた峡谷「高千穂峡」をはじめとする観光スポットとしても人気がある。
平野が少なく林野面積が約90%を占める高千穂は、秋から春にかけて「雲海」と呼ばれる霧に包まれる。そのひんやりと澄んだ森の空気や風、湿気、そして雨の恵みが美味しい椎茸を育むのだという。
森と人が繋がる、サステナブルな日本独自の栽培方法
人工栽培が困難なポルチーニやモリーユ茸と違い、椎茸は人工栽培が可能である。
人工栽培には大きく分けて菌床栽培と原木栽培の2種類がある。
菌床栽培は、オガクズなどの木材チップに米ぬかなどの栄養素を混ぜてブロック状にした人工の培地で育てる方法、もう一方の原木栽培は、自然の原木を培地とし、菌を打ち込んで育てる方法である。
さらに、湿度・温度が管理されているハウス栽培と、屋外で自然に近い状態で栽培する露地栽培がある。
杉本商店の椎茸はすべて無農薬の露地栽培で行われている。
高千穂郷のある九州には古来より椎茸が自生していたが、現在の栽培方法は先人たちの知恵と工夫によって受け継がれた日本独自の手法である。
最高品質の椎茸を育むのは、根気強い自然との対話
椎茸の培地となる原木にはクヌギを使用する。
日本国内の原木椎茸農家では、クヌギをはじめとしたナラ類やカシ類などの広葉樹で栽培しているが、杉本商店の椎茸はクヌギで栽培している。甘い樹液を持つクヌギで育った椎茸の品質と風味には定評があり、日本国内でも需要が高いからだ。
椎茸の栽培は、樹齢15年〜25年のクヌギを1メートルほどに切断し、椎茸菌を培養した木片を打ち込むことから始まる。原木に打ち込んだ菌が蔓延し、収穫に至るまでに2年を要する。
栽培から収穫に至るまでのすべての工程ー例えば木を伐採するタイミング、伐採時に木を倒す方向、原木を一定の長さに切断するタイミングなどについて、気候や樹木の状態などすべて経験で判断するため、高度な熟練が要求される。スピードや効率化だけでは最高の椎茸の栽培はできない、自然の恵みたる所以だ。
自然との対話によって整えられた原木は、夏を2回迎えたあと、毎年春と秋に椎茸が発生する。その原木が役割を終えるのは約5年ほどで、その後は土に還り、山を育んでいく。
椎茸栽培が促進する森と山の再生
椎茸栽培のために山の樹木が伐採されることは、また新たな循環を生む。伐採した切り株から新たなクヌギの芽が生い茂り、伐採した部分に日光が差し込むことで、また別の草木や山菜が育っていく。
こうして森を若返らせると二酸化炭素の吸収力があがり、新たに植林をすることなく山が蘇り、新たな生命を再生していく。
地元の森の恵みを守る体制が、里山の課題を”強み”に変える
日本の乾椎茸の生産量は、高千穂郷のある九州の大分、宮崎、熊本の3つの県がトップシェアを誇る。これには、椎茸栽培に適した気候条件もさることながら、政府や地方自治体による技術指導や生産拡大策も寄与している。
加えて、杉本商店は地域を活性化する取り組みを独自に行ってきた。
今日の日本は少子高齢化という課題を抱えているが、若者が流出しがちな山間部に至っては都市部よりも厳しい状況を抱えており、高千穂郷も例外ではない。
平地が少ない山間部での椎茸づくりには体力を要する一方、生産者の高齢化と後継者不足に悩み、技術の伝承そのものが失われつつあった。
その現状に強い危機感を持った杉本商店は、力や体力が必要な作業工程を杉本商店が請け負ったり、細かな作業は地元の障害者福祉施設へ依頼するなど、仕事の分散を行うことで、地域全体の椎茸の生産を守ろうと尽力している。
日本を代表する乾椎茸の生産過程は決して短くないが、改良を重ね、地域住民同士の絆と誇りもまた育んでいる。
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