日本の精進料理とは?

精進料理は仏教の戒律に基づいた料理であり、禅において食にまつわる行動は修行だ。

殺生を避けて肉や魚を食べない菜食料理だとも言われることも多いが、仏教の開祖であるお釈迦様は菜食にはこだわっていなかった。精進料理は、長い歴史の中で変化と発展を遂げてきたものである。

精進料理の成り立ち

仏教は、人々を苦しめる根本的な原因を取り除き、苦しみから解放されるための教えである。

慈悲心に基づく不摂生の教えもそのひとつで、僧侶自らが漁や狩りをすることは禁じられていた。また、物への執着や所有欲を断つために一切の生産行為や労働を行わなかったため、僧侶の食事は托鉢や寄付によって賄われていた。

よって料理技術も最小限のものであり、現代の日本や中国、韓国で食べられているような精進料理という概念はまだ生まれていなかった。

中国で発生した精進料理の原型

インドで生まれた仏教は中国に伝来し、中国固有の思想や生活文化の影響を受けて多くの宗派が生まれ、僧侶の食事を取り巻く状況にも変化が訪れた。

中国では修行者に対してお布施や托鉢という行為が伝統的な習慣として根付いていなかったこと、修行に適した深山幽谷の寺院の周囲に民家がなくやはり托鉢には向いていなかったことから、やむをえず戒律の解釈を変えることとなった。

今まで雑用として捉えられていた掃除や炊事などの勤労を認めるようになったが、単なる労働としてではなく「重要な修行である」と定義した。世俗的な生産や蓄財目的ではなく、あくまで僧侶自身による仏教の修行の一貫として日々の労働が行われるようになった。

食と健康を確保するために仏教の戒律の解釈を変えて労働を許した以上、修行に差し支えなく健康が維持できる食事、それが精進料理の原型であると言えるだろう。

その下地には、中国では仏教が伝来する約1000年前から菜食料理が存在していたこと、薬としての食事と日常の食事の根源は同じ、「医食同源」だと考えられていたことも貢献しているだろう。

そのように中国で生まれた精進料理が仏教と共に日本へやってきて、日本で独自の進化を遂げることになる。

日本の精進料理

日本への仏教伝来以前にも、神道などでは肉や魚を避けて身と心を清らかにする習慣が一部に定着してたため、精進料理を受け入れられやすい土壌にあった。

さまざまな宗派により独自の精進料理に対する考えが生まれる中、禅宗のひとつである「曹洞宗」の開祖、”道元”は日本の精進料理の発展に非常に大きな影響を与えた。食事を作る人の心構えを説いた「典座教訓」、食べる人の心構えや作法を細かく説いた「赴粥飯法」を残しており、和食や茶道にも大きな影響を与えている。

精進料理の特長

料理を作る人の心構え

喜心は作る喜びを忘れない心、老心は食べる相手のことを思って調理すること、食材そのものに対しても感謝をし丁寧に扱うこと、大心は深く大きな心で粛々と作る心のことだ。

禅寺で食事を司る役目は「典座」と呼ばれ、その典座の心構えとして「喜心・老心・大心」を挙げた。

喜心は作る喜びを忘れない心、老心は食べる相手のことを思って調理すること、食材そのものに対しても感謝をし丁寧に扱うこと、大心は深く大きな心で粛々と作る心のことだ。

味付けの基本

味付けの基本は現代と似てい味付る。苦味・酸味・甘味・辛味・塩辛いの五味に「淡味」を加えた六味である。「淡味」とは、素材の持ち味を生かすために薄味にすることであるが、単純な薄味とは全く異なる。

大自然の恵みの味、「淡味」

淡味とは素材そのものの味で、過剰に味を足すことでも、何もしないことでもない。素材の個性を引き出すために適切な調理を施す過程も「淡味」と呼ばれ、素材そのものの持ち味が引き出された大自然の恵み、命の輝きに満ちた味を「淡味」と称している。

修行に適した食材をー使わない食材

時代や宗派によって定義は異なるが、修行の妨げになる素材は使用しない。
五葷(匂いが強く、精力がつく野菜。ネギ、ニラ、にんにく、ラッキョウなど)、肉、魚、乳製品などの動物性食品など。

素材と作り手に感謝する、食べる人の心構え

食材の命の尊さと、食材にかけられた多くの手間と苦労を想像すること、自分がこの食事をいただくに値する正しい行いができているかどうかを反省すること、食を単なる欲求の対象としてではなく、健康な身体を維持する薬としてありがたくいただくこと、等が記されている。

飽食の時代に精進料理から学ぶこと

時代の変化とともに生活様式や食事も大きな変化を遂げたが、濃厚なインスタント食品の増加、食事の簡便化、自炊の減少、またそれらから健康被害が大きく広がっている。

多くの先進国では物質的には満たされているが、果たして本当に満たされているのだろうか。

長い歴史の中で先人たちが努力と工夫を重ねてきた調理法とその心にこそ、心身ともに、社会的にも幸福になれる鍵があるのではないだろうか。

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